2021年9月26日に開催された第20回ドイツ連邦議会選挙の翌日にあたる27日午前(ドイツ時間)、コンラート・アデナウアー・シュティフトゥング(KAS)日本事務所は、ユルゲン・ハート議員(ドイツ連邦議会議員・外務委員会委員・キリスト教民主同盟・社会同盟(CDU/CSU)議会グループ外交政策広報担当)をスピーカーに迎え、連邦議会選挙に関する第二弾となるオンラインイベントを開催した。
KAS日本事務所によるドイツ連邦議会選挙に関する一連のイベントは、ドイツ政治の新たな時代について理解を深めるとともに、ドイツや欧州の政治動向に関心のあるジャーナリスト、シンクタンク等の研究者、政府らポリシーメーカーの調査、研究に資することを目的として開催された。
再選したハート議員は、今回の選挙では16年間にわたるアンゲラ・メルケル政権の評価が問われていることをドイツの有権者は理解していたと強調し、CDU/CSUは政治的実績も将来の展望も十分に提示することができなかったと指摘した。
ハート議員は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックが経済にもたらした課題について強調したほか、技術革新と研究が気候の保護や気候目標の達成において非常に重要な役割を果たすと主張した。
ドイツ連邦軍が海外任務に当たることについて、ハート議員は、ドイツは包括的アプローチの一環として国際的な軍事プレゼンスを示す用意があるが、軍事オプションは海外任務の1要素にすぎないと述べた。また、焦点分野としてはるかに重要なのは持続可能な開発であり、その実現には人道援助と開発援助を並行して進めなければならないと語った。
ハート議員は、ドイツは対中戦略とアジア全体に対する戦略の双方を欧州レベルの動向に合わせることへの関心が高く、同国が欧州連合の共通外交安全保障政策のけん引役となることを期待していると述べた。
本ディスカッションのモデレーターは、KAS 日本事務所代表兼アジア経済政策プログラム(SOPAS)代表のラベア・ブラウアーが務めた。
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